シミやくすみ、ニキビ跡、毛穴の開きなど、肌のお悩みを改善してくれるピコレーザー。
治療を考えた時に「ピコスポット」「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」って何が違うの?どの機器を選べばいいの?そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、ピコレーザーの基礎から施術タイプごとの特徴、さらには使用される機器の違いまでを徹底的にわかりやすくご紹介していきます!
ピコレーザーとは
従来のレーザーは、照射時間がナノ秒(10億分の1秒)に対して、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)単位で発振することができます。照射時間が短いことで狭い範囲に高い出力効果を発揮するため、シミを少ない施術回数で除去することが可能です。
また、皮膚への熱作用が少ないため炎症後色素沈着などのリスクを抑えることができるレーザー治療機です。
シミ・くすみだけはなく、従来のレーザー治療が難しかった肝斑にも施術可能となっています。最小限のレーザー出力で最大限の効果を発揮するため、より早く確実な効果を実感することができます。
ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルの違い一覧表
ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルはピコレーザーを使用した施術方法です。
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ピコスポット | ピコトーニング | ピコフラクショナル | |
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レーザーの照射方法 | 高出力のレーザーを気になる箇所に集中して照射 | 低出力のレーザーを広範囲に照射 | 高密度のレーザーを点状に照射(目に見えない極小の穴を無数に作る) |
対象となる症状 | 濃いシミ、そばかすなど | 薄いシミ、肝斑、くすみなど | シミ・そばかす・毛穴の開き・ニキビ跡など |
効果の表れ方 | 一度の施術で効果を感じられる。 | 回数を重ねることで顔全体がトーンアップしていく。 | 無数の穴が傷を治そうとする過程でコラーゲンの再生を促すため、効果が出るまでに回数が必要。 |
ピコスポット(シミ・そばかすに特化した治療法)
ピコスポットとは?
従来のQスイッチレーザーなどのシミ・そばかす治療と比べてピコスポットはメラニンをより細かく破壊するためメラニンが排出されやすい特徴があります。またピコスポットは狭い範囲に集中してレーザーを照射することができるため、1回の照射で効果を実感しやすい施術です。そのため、シミやそばかすを一度で取りたい方にとって非常に魅力的な選択肢です。治療の経過としては、一般的に照射後数日から2週間程度でシミは痂疲(薄いかさぶた)になり、剝がれることでシミが薄くなり消失します。
ピコスポットの特徴
従来のレーザー治療に比べて非常に短いピコ秒のパルスで照射されるため、短い照射時間で治療がおこなえます。熱が広がりにくく、痛みや肌のダメージも少ないという特徴があり治療後の赤みや腫れが少ないためダウンタイムも短くなります。またピコスポットでのシミ取りは患部の周囲の細胞が傷つきにくいため、炎症後色素沈着のリスクが少ない特徴があり、安心して治療を受けることができます。
施術の対象
- 目立つシミがある方
- 一度の治療で治したい方
- 過去にフォトフェイシャルなどの治療でシミが消えなかった方
注意点
- 施術直後は赤みや腫れ、かゆみ、水疱などの副作用が現れる場合があります。
- 患部は一時的に白くなり、徐々に黒く変色していきます。
- 施術後2週間程度は、施術した部位へ刺激になる行為を控えましょう。
- 施術後の肌は乾燥しやすい状態なので、十分な保湿を心がけましょう。
- 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めを毎日使用しましょう。
- かさぶたは自然に剥がれるのを待ちましょう。無理に剥がすと色素沈着や傷跡の原因になります。
- 赤みなどが続く場合は治療をしたクリニックに連絡しましょう。
ピコトーニング(くすみや色ムラを均一にする美白ケア)
ピコトーニングとは?
ピコトーニングは、低出力のレーザーをお顔全体に均一に照射します。複数回照射する事によりシミ、くすみの原因であるメラニン色素を少しずつ分解し排泄していきます。その結果お顔全体の色調がトーンアップし、より透明感のあるお肌へと導きます。また、深達性に優れた波長を用いることにより隠れシミの予防効果、肝斑の改善、アトピー性皮膚炎による色素沈着にも効果的です、繰り返し行うことで全体的なトーンアップ、美白効果が期待できます。
ピコトーニングの特徴
ピコトーニングでは、従来のレーザー治療と比較して照射時間が短く熱の発生も抑えれるため痛みが少なく施術を受けれます。熱エネルギーによる肌へのダメージが少ないため、色素沈着のリスクが低いのも特徴です。
施術の対象
- 肝斑を改善したい
- 肌にハリがほしい
- 毛穴の開きを改善したい
- 肌をワントーン明るくしたい
- くすみ肌を治療したい
- 肌質を改善したい
注意点
- 施術直後は赤みや腫れ、かゆみ、点状出血などの副作用が現れる場合があります。
- 施術後2週間程度は、脱毛など施術する部位へ刺激になる行為を控えましょう。
- 施術後の肌は乾燥しやすい状態なので、十分な保湿を心がけましょう。
- 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めを毎日使用しましょう。
- 副作用が1週間以上続く場合は治療をしたクリニックに連絡しましょう。
ピコフラクショナル(肌質改善や毛穴ケアに最適)
ピコフラクショナルとは?
ピコフラクショナルは、高密度のレーザーを照射することで、その衝撃波によって表皮内に微小の空洞を形成する治療法です。この空洞が修復される過程で、コラーゲン増殖が活発化し、エラスチンなどが再生されます。その結果、毛穴の引き締め・肌のハリや弾力の改善、小じわの予防、ニキビ跡・肌の凹凸や肌質の改善効果が期待できます。さらに表皮のメラニン色素に反応させることで薄く散らばった表皮性色素班(シミ)、雀卵斑(そばかす)の改善、美白効果も期待できます。
ピコフラクショナルの特徴
Picowayを使用したピコフラクショナルは、532nm fusion、1064nmの2種類の波長を使用することができます。1064nmの波長を使用したフラクショナルは真皮内に空砲化を形成し皮膚表層にダメージを及ぼすことなく肌の改善が行え、毛穴の開きの改善に効果的です。532nm fusionは1064nmの波長よりもメラニンに対しての吸収率が高く、色素を破壊する力が強いため、美白効果、シミやそばかすの改善に有効です。ピコトーニングを併用することで、表皮から真皮まで幅広い層のメラニンを減少させ、明るく透き通るようなお肌へと導きます。さらに従来のフラクショナルレーザーに比べて肌表面に熱ダメージを与えることがなく、大幅にダウンタイムの短縮が可能になりました。
施術の対象
- シミやそばかすを改善したい方
- 隠れシミの予防、肝斑を改善されたい方
- ニキビ、ニキビ跡が気になる方
- 毛穴の開きを改善させたい方
- 肌質を改善したい方
- 短いダウンタイムでより効果を実感したい方
- 1回の施術で効果を感じたい方
注意点
- 施術直後は赤みや腫れ、かゆみ、点状出血などの副作用が現れる場合があります。
- 腫れや痒みなどの症状がなければメイクは次の日から可能です。
- 施術後2週間程度は、脱毛など施術する部位へ刺激になる行為を控えましょう。
- 施術後の肌は乾燥しやすい状態なので、十分な保湿を心がけましょう。
- 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めを毎日使用しましょう。
- 副作用が1週間以上続く場合は治療をしたクリニックに連絡しましょう。
ピコトーニングとピコフラクショナルの違い
ピコトーニングは、紫外線によるシミや色素沈着の改善、肌のトーンアップを目的とし表皮層への浅い作用のためダウンタイムの期間は少なく、メイクも施術後すぐから行えるのが特徴です。対してピコフラクショナルは凸凹や小じわ・ニキビ跡・毛穴の黒ずみなどに適しており、真皮層への深い作用のためヒリヒリした痛みや軽い炎症といったダウンタイムがあります。ピコフラクショナルは1回の施術でも効果を実感する方が多いです。しかし、ピコトーニングは3回〜5回程度の施術で効果を実感することが多いなど、施術回数にも違いがあります。
代表的なピコレーザー機器4種類を紹介
機器一覧表
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製品名 | ピコウェイ | ピコシュア | エンライトンSR | ディスカバリー ピコプラス |
---|---|---|---|---|
メーカー | Candela | CYNOSURE | cutera | QuantaSystem |
FDA承認 | 2012/11 | 2012/11 | 2014/8 | 2016/12 |
国内承認 | 2020/8 | 2020/5 | 2016/3 | 2020/7 |
波長 | 532nm 730nm 1064nm |
755nm | 532nm 1064nm |
532nm 694nm 1064nm |
パルス幅 | 294㎰ 246㎰ 339㎰ |
550~750㎰ | 750㎰ | 370~450㎰ |
商品詳細URL (引用元) |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 国内総販売元 |
※パルス幅が短いとより高いピークパワーを有する
ピコウェイ
PicoWay(ピコウェイ)はSyneron-Candera社が開発した、ナノ秒よりもさらに短い数百ピコ秒(30億分の1秒)という極めて短いパルス発振により得られる高いピークパワーを有する医療用レーザーです。従来の光熱作用が少なく、光音響効果が優位になることにより、標的となる色素粒子をより細かく破砕します。
そのため、痛みが少ない治療となり周辺組織へのダメージを最小限に抑えた治療が可能なため治療後のダウンタイムも短くなりました。さらに3つの波長(532nm、730nm、1,064nm)を搭載することができ、その波長によってレーザーが届く深さ、吸収作用する対象が異なります。
この波長を使い分ける事で浅い層から深い層まで幅広い治療をご提供することが可能となりお客様の悩みに合わせた治療が提供できます。
ピコシュア
PicoSure(ピコシュア)は、米国Cynosure社が開発した世界初のピコ秒レーザーです。ピコ秒(1兆分の1秒)でレーザーを照射し、熱ではなく衝撃波で瞬時にメラニン色素を細かく粉砕することができます。
皮膚への熱作用が非常に少なく、照射時間が極限まで短いためお肌への負担が最小限に抑えられ炎症性色素沈着などの副作用が少なくダウンタイムも短いです。
ピコシュアは755nmの波長でメラニンによく吸収され、ヘモグロビン(血液)に吸収されにくい波長ですのでメラニン系(シミ)の疾患に対し効率よく治療ができることになります。
エンライトンSR
エンライトンはCUTERA社が開発したピコレーザーですピコ秒(1兆分の1秒)での照射が可能になったことにより、熱による肌への負担がほぼなく、オプティカルブレイクダウンという衝撃波でメラニンを破壊し今まで破壊できなかった小さい粒子も粉砕する事が可能となりました。
今までのレーザーでは治療しきれなかった種類のシミ・そばかす・肝斑・くすみなども少ない痛みで、早くキレイにする治療が可能となり、またお肌に優しく、高い美白効果が期待できます。
532nm、1064㎚の二つの波長を使い分け、532nmは浅い層のメラニンに有効。しみやそばかすの治療に適し、1064nmは深い層のメラニンや色素沈着に有効。アザの治療、肌質改善にも効果的です。
ディスカバリーピコプラス
ディスカバリーピコプラスはQuanta社製のピコレーザーです。532nm・694nm・1,064nmの3つの波長を搭載しており、症状に合わせて切り替えて照射でき、単一波長のロングパルスも搭載され従来のレーザーよりも、照射時にお肌への影響が少ないのが特徴です。
目立つシミや、対応が難しかった薄いシミにも効果を発揮します。そばかす・肝斑や、美白効果。毛穴やニキビ跡など肌質改善や美肌効果に適しています。
濃いシミの治療には「ナノ秒」で行うQスイッチレーザーでの照射も行うことができます。皮膚の浅い部分のシミは、Qスイッチレーザーの方が適している場合もあります。シミの状態、ダウンタイムや治療頻度などを考慮して選択が可能です。
施術を受ける前に知っておくべきポイントとクリニックの選び方
施術を受ける前に確認すべきこと
カウンセリングを受ける
- ダウンタイムの期間、施術後のアフターケアを知っておく
- シミの症状種類の見極めや治療プランの提案、料金やアフターフォローの説明を受ける
- 説明された内容に納得がいくかどうか、質問や不安に丁寧に寄り添ってくれるかどうかを確認する
レーザー照射前の注意事項の確認
- レチノール、ハイドロキノンなど照射前後の使用に気を付ける
- レーザー照射部のうぶ毛は剃っておく。照射前の日焼けに注意し過度の日焼け後は照射日程の変更
クリニック選びのポイント
治療実績 |
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費用 |
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カウンセリング |
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価格相場と施術の注意点
シミ取りの料金相場は施術方法やレーザーの種類・治療するシミの数や範囲などによって異なります。シミ取りの施術を受ける際は、料金だけでなく口コミ等も参考にして美容皮膚科を探しましょう。
まとめ
シミ取りは種類や予算・効果もさまざまなので、自分に合うものはなにかを知ることが大切です。シミ取り用のレーザーはかなり高出力になっており、肌にダメージを与えます。そのダメージによって照射部位のくすみや色素沈着が起こりやすい状態ですので、その後のケアも大切になります。シミを除去するだけではなく、アフターケアをしっかり行い、その後の予防・対策によりシミを作らせない肌作りを目指しましょう。
新神戸ウェルネスクリニックではPicowayを使用しております、どんな些細なお悩みもぜひご相談ください。