「ほくろ」は美容面や健康面、精神面で悩みの種となることがあります。
顔や体に目立つほくろは、見た目を気にすることで自信を失ったり、人と接することに不安を感じる原因になりがちです。また、ほくろが成長して大きくなったり、形が変わった場合には、皮膚がんなどのリスクが懸念されることもあります。そのため、美容目的だけでなく、健康面の不安解消や、精神的なストレス軽減を目的に、ほくろの除去を希望する方が増えています。
本記事では、「ほくろはなぜできるの?」「ほくろを取る方法は何がいいの?」といったほくろに関する疑問や解決方法について解説しますので、ほくろでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
ほくろができる原因と種類
ほくろにもいくつか種類があります。
まずはほくろができる原因と種類について解説していきます。
ほくろになる原因
ほくろができる原因にとして、「紫外線」、「ホルモンバランスの変化」、「遺伝」、「刺激」などの原因があります。
-原因①- 紫外線 |
紫外線を多く浴びると肌を守るメラノサイトが活性化し、メラニン色素を生成します。メラニン色素を生成する過程でほくろができてしまいます。 |
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-原因②- ホルモンバランス |
妊娠や生理不順、更年期などでホルモンバランスが崩れてしまうと、メラニン色素を排出してくれるサイクルも崩れ、ほくろの増加につながってしまいます。 |
-原因③- 遺伝 |
親からの遺伝でほくろができやすい体質の方もいます。親にほくろが多いと、子供もほくろが多くなる可能性があります。 |
-原因④- 刺激 |
お肌を強く擦ったり刺激を与えると、メラニン色素が集中しやすくなるため、ほくろができやすくなります。 |
ほくろの種類
皮膚にできた黒いできものを一般的にほくろと呼ぶことが多いです。皮膚疾患では、母斑細胞といわれる細胞が増殖した腫瘍のことを指します。ほくろは皮膚がん特にメラノーマ(悪性黒色腫)との鑑別が大切です。皮膚がんが疑われる場合まずは、ダーモスコピー検査が行われます。この検査は病変を10~20倍に拡大して診るため精度が高いとされています。
ほくろの種類には、「Miescher(ミーシャー)母斑」、「Unna(ウンナ)母斑」、「Spitz(スピッツ)母斑」、「Clark(クラーク)母斑」の4種類があります。
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- Miescher母斑
- 顔や頭に多くみられ、毛が生えていることが多い。
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- Unna母斑
- 黒色~茶褐色のほくろ。やわらかなしこり状のほくろ。
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- Spitz母斑
- 赤~黒色のほくろ。以前は若年性メラノーマと言われており、メラノーマとの鑑別が難しい。
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- Clark母斑
- 平坦な黒褐色のほくろ。外側に向かって色が薄くなっている。
メラノーマとは皮膚がんの一種です。皮膚の色と関係するメラニン色素を生産するメラノサイトという皮膚の細胞が悪性化してできる悪性の腫瘍です。
- メラノーマの特徴
- 褐色から黒色の腫瘤として皮膚の表面に現れます。一般的に、「形が左右非対称」、「輪郭がギザギザしている」、「色むらがある」、「大きさが6mm以上ある」、「大きくなる、色・形・かたさなどが変化する」という特徴があります。
ほくろ・シミ・イボの違い
この3つは見た目が似ており、特にほくろとイボはどちらか分からないことがあります。簡単な見分け方として「色味」、「大きさ」、「平坦か膨らみがあるか」をみてみましょう。
ほくろ | 茶色~黒色(淡い色のものもある)。丸または楕円形で約1~2mm(2mm以上の大きさのものもある)。表面が平坦か少し盛り上がっていることが多い。盛り上がっている場合は表面は滑らか。 |
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シミ | 茶色または薄い色。明確な境界線を持っていますが、大きさは様々。盛り上がりはなく平坦。 |
イボ | 主にウイルス感染が原因でできる。肌色~茶色。基本的に小さな突起物だが、大きくなる場合もある。平坦ではなく突起物があり触るとざらつく。ただし、紫外線や摩擦、加齢によりできる脂漏性角化症(老人性イボ)と言われるものがある。 |
★脂漏性角化症(老人性イボ)とは?
メラニンの蓄積により皮膚が盛り上がってできるイボのことを言います。見た目はシミの様に見えますが、触ってみると平坦ではなく盛り上がっているのが確認できます。シミ取りのレーザーでは除去することが難しいため、イボと同じようにCO2レーザーでの除去が必要となります。
※あくまで簡単な見分け方になりますので、医師に診てもらいましょう。
ほくろ除去の治療方法
ほくろを除去する方法はいくつかの種類があり、特に代表的な治療についてご紹介します。
治療方法
特徴 | ほくろをメスで切除した後に、皮膚を縫合して閉じる方法です。深く広がったほくろやがんのリスクのあるほくろに使用されます。 |
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方法 | ほくろを囲むように皮膚を切開し、ほくろを根本から切り取って、周囲の皮膚を縫合します。 |
メリット | 組織を切り取るため病理検査が可能。ほくろを完全に切除できるため、がんのリスクがある場合にも適応され、再発リスクは少ないです。また、保険医療での治療が可能です。 |
デメリット | 傷跡が残る可能性があり、特に大きなほくろの場合には傷が目立つ場合があります。回復に時間がかかり、痛みや腫れが生じる可能性があります。 |
特徴 | 電気メスによるほくろ除去は高周波電流を使用し、ほくろを削ったり焼いたりして除去します。 |
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方法 | 高周波電流を使用しほくろの組織を加熱し、組織を蒸発させることで除去します。 |
メリット | 施術時間が短く、比較的簡単に治療が行えます。傷が小さいため目立ちにくい。出血が少なく、治療後の回復が早い。 |
デメリット | 深いほくろは完全に除去できない場合があります。 |
特徴 | 炭酸ガスレーザーはレーザーを使用しほくろを蒸散させ取り除く方法です。 |
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方法 | 方法:炭酸ガスレーザーをほくろに当てるとレーザーエネルギーの蒸散作用でほくろを取り除きます。 |
メリット | 施術時間が短く、比較的簡単に治療が行えます。周囲に皮膚に対し最小限のダメージのみのため傷跡が残りにくい。出血が少なく治療後の回復が早い。 |
デメリット | 深いほくろは完全に除去できない場合があります。 |
おすすめのほくろ除去治療「CO2レーザー」
CO2レーザーは、非常に短いパルス幅の炭酸ガスレーザーを用いてほくろやイボ、脂漏性角化症を取り除く治療です。CO2レーザーの波長は、水分に吸収されやすい特徴があり、ほくろやイボなどの隆起した病変を蒸散させて取り除きます。治療中も周囲の血管も熱凝固にて固まるため出血も少ないです。
★ほくろ以外でもイボ・脂漏性角化症除去もCO2レーザーでの除去が可能です。
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- 特徴① 即日除去が可能
- CO2レーザーは出血が少なく3mm以下の大きさのものであれば、ほとんど1回で除去できます。
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- 特徴② 照射時間が短い
- CO2レーザーは病変にピンポイントで照射ができるため、比較的短時間での治療が可能です。
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- 特徴③ 最小限のダメージのみ
- マイクロ秒(ミリ秒の1/1000)という極めて短い時間で照射と非照射を繰り返してレーザーを照射するため、照射周辺組織の熱創傷を抑えながら、皮膚組織中に含まれる水分を局所的に蒸散させ、ほくろを除去することができます。
CO2レーザーの施術に関する疑問点
ほくろ除去についてよく質問される項目をご紹介します。
- 治療に必要な回数は?
- CO2レーザーでのほくろ除去は通常1回で可能です。しかし、ほくろの大きさや深い場合には1回で取り切れない場合があったり、再発する場合がありますので、2回に分けて治療していくことがあります。
※レーザーで2回ほど治療を行っても取り切れない場合は切除縫合法をおすすめします。
- 価格の相場はいくら?
- 料金は1つ除去するのに約5,000円~10,000円です。一般的には、ほくろが大きいほど料金が上がっていきます。
- やっぱり痛い?
- ほくろを除去する時は、局所麻酔を行います。局所麻酔は注射ですので針を刺したときにチクっとした痛みはありますが、麻酔が効いてくると痛みを感じることなく治療が受けられます。脂漏性角化症の場合は深く削っていく必要がないため、局所麻酔なしで治療する場合もあります。基本的に治療後麻酔が切れてもほぼ痛みなく過ごすことができます。
- ダウンタイム・アフターケアは大変?
- CO2レーザーでのダウンタイムは約1~2週間とされています。約2週間ほどで上皮化し赤みのある皮膚となります。その後約2~3ヶ月かけて徐々に色味が落ち着いてきます。(経過の仕方は個人差があります)
CO2レーザー後のアフターケアについて
ほくろ除去後は傷ができている状態ですので1~3日間程、浸出液という黄色い液体が出る場合があります。この浸出液が出ている間は保護テープを貼ってもすぐに剝がれてしまう可能性があるため、抗生物質の薬を塗って絆創膏で保護します。浸出液が治まったら絆創膏から保護テープに切り替えて2週間後の再診まで貼りっぱなしの状態で過ごします。(当院では、治療を行った2週間後に再診に来て頂いております)医師の診察を受けて問題なければ、それ以降はテープでの保護は必要ありません。
リスク(注意点・副作用・禁忌)について
ほくろ除去は見た目、健康上の理由から行われることが多い治療ですが、どんな治療にもリスクは伴います。ほくろ除去でのリスクについて解説します。
ほくろ再発の可能性
ほくろの除去では、皮膚の深い場所にある「母斑細胞」を取り切れていないと再発する場合があります。再発を防ぐには真皮まで削って母斑細胞を完全に取り除かないといけません。しかし、削り過ぎてしまうと傷跡が目立って残る可能性があるため1度の治療では取り切れない場合があります。
色素沈着や炎症のリスク
ほくろ除去後は傷が上皮化すると赤みのある皮膚となり徐々に元のお肌の色に戻っていきます。しかし、この間に紫外線を浴びたり、かさぶたを無理に剥がしてしまったり、患部を擦ったりなどの刺激を与えてしまうと色素沈着を起こす場合があります。テープ保護が終わるとしっかりと日焼け対策を行い、刺激を与えないようにしましょう。また、傷ができている状態であり、感染を起こすリスクもあるため注意が必要です。
患部が凹む
大きなほくろを除去した場合は患部が凹んでしまうことがあります。小さなほくろの凹みは時間とともに治癒することが多いですが、凹みが大きいと完全に凹みがなくならない可能性もあります。カウンセリング時に医師に確認しておきましょう。
ケロイドになってしまう
ほくろ除去後、治癒の過程で皮膚が過剰に反応し、新しい組織を作りすぎてケロイドができてしまう可能性があります。特にケロイドができやすい体質の方は注意が必要です。何か異常があれば医師に相談しましょう。
まとめ
ほくろ除去についていかがでしたでしょうか?
当院ではCO2レーザーを使用して、ほくろ・イボの除去を行っております。
できるだけ跡を残さずにほくろ・イボをなくしたい方はぜひ新神戸ウェルネスクリニック美容皮膚科にご相談ください。