医療脱毛を検討する際、機器選びは「効果」「痛み」「安全性」「肌質適応」など重要な判断基準になります。近年、注目を集める蓄熱式レーザーの代表格の一つが メディオスター(メディオスターNeXT PRO)。 一方で「短期間で確実に減らしたい」と考える人には、熱破壊式の代表である ジェントルマックスプロプラスも依然として人気です。 本記事では、メディオスターの仕組み・効果・施術の実際・注意点を詳しく解説し、 ジェントルマックスプロプラスとの違いを比較して、あなたの毛質・肌質・脱毛目標に合わせた最適な選び方を紹介します。
メディオスターNeXT PROとは?
メディオスター(メディオスターNeXT PRO)は、ドイツの医療機器メーカーAsclepion(アスクレピオン)社が開発した蓄熱式(SHR: Super Hair Removal)と呼ばれる照射方式を採用したダイオードレーザー脱毛器です。従来の熱破壊(HR)型レーザーとはアプローチが異なり、熱毛根ではなく「毛包(毛を作り出す組織)」をターゲットにするのが大きな特徴です。短時間に弱めのエネルギーを繰り返し照射して毛包全体を緩やかに加熱し、毛の再生機能を抑えます。
この方式により、従来は難しいとされてきた産毛や細い毛、色黒肌や日焼け肌にも施術しやすく、多様な肌質・毛質に対応可能となりました。安全性の高さから、多くの美容クリニックが導入しています。
メディオスターNeXT PROの仕組みと特徴
メディオスターNeXT PROの魅力を語る上で欠かせないのが、その仕組みと特徴です。どのように毛に作用し、どんなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
①蓄熱式レーザーの原理
メディオスターNeXT PROでは、810nmと940nmの波長を持つダイオードレーザーが使用されます。このレーザーは皮膚の深さに応じて熱を伝え、毛包にじわじわとエネルギーを蓄積させます。
具体的には以下の流れで脱毛効果を発揮します。
- 低出力のレーザーを高速で連続照射
1ショットごとの出力は低めですが、短時間に何度も繰り返し照射することで毛包周囲の温度が徐々に上昇します。 - 毛包の温度を約45〜50℃に維持
毛の再生機能を司る毛乳頭や毛包上部に熱がじんわり蓄積されることで、毛の再生能力を徐々に抑制します。 - 毛根を直接破壊せずに成長を抑制
熱破壊式とは異なり、短時間で毛根を瞬間的に焼き切るのではなく、毛の発育を遅らせる蓄熱型の作用を活かします。これにより痛みや肌トラブルのリスクを軽減できます。
②スライド照射による広範囲カバー
メディオスターNeXT PROのハンドピースは、滑らせながら照射できる設計になっています。これにより広い範囲の脱毛でも効率よくレーザーを均一に当てられ、施術時間を短縮可能です。
- 顔やうなじなど細かい部位も、軽く滑らせるだけで均一に熱を蓄積
- 背中や脚など広範囲も、複数回の重ね打ちでムラなく処理
③毛質・肌質への適応メカニズム
従来のレーザーは毛の黒色に反応するレーザー色素反応型でしたが、メディオスターは低出力を繰り返す蓄熱式のため、以下のメリットがあります:
- 産毛や細毛にも効果を発揮しやすい
- 日焼け肌・色黒肌・敏感肌でも照射できる場合が多い
- 毛の太さや色に左右されにくく、幅広い患者に対応可能
④冷却システムとの連動
メディオスターNeXT PROは先端ハンドピースに冷却システムを搭載しており、肌表面を冷やしながら照射できます。 これにより、熱を毛包に集中させつつ表皮へのダメージを抑制できるため、痛みや赤みを最小化できます。
メディオスターNeXT PROの特徴
メリット |
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留意点 |
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メディオスターNeXT PROは、蓄熱式(SHR方式)を採用しており、低出力のレーザーを連続的に照射し、毛包全体をじわじわと加熱する仕組みです。
特に痛みに敏感な方や、広範囲をストレスなく脱毛したい方に適しています。
効果と施術の実際
「痛みが少ない」と聞くと、効果が弱いのでは?と不安になる方もいます。ここでは、メディオスターNeXT PROで期待できる効果や施術の流れを解説します。
通院回数の目安
一般的に医療脱毛は部位や毛質によりますが、7〜12回程度で満足できるケースが多いです。メディオスターは産毛に効きやすいため、顔や腕など細い毛を重点的にしたい方では比較的少ない回数で変化を感じることがあります。一方、ヒゲやVIOなどの濃い毛は回数が必要になりやすい点は理解しておきましょう。
施術間隔
照射の間隔は通常4〜8週ごと。毛周期に合わせて行うため、医師や看護師の指示に従うことが重要です。
効果の出方
初期 | 施術後1〜3週間で毛がぬけ落ちる「脱毛期」を実感することが多い。 |
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中期 | 3〜4回目以降から自己処理の頻度が目に見えて減る。 |
後期 | 7〜8回目以降で自己処理がほとんど不要になる方が増えるが、個人差あり。 |
目標(ツルツルにしたい/自己処理の頻度を減らしたい)を明確にすると回数やプランが決めやすいです。
ジェントルマックスプロプラスとは?
「ジェントルマックスプロプラス(GentleMax Pro Plus) は、アメリカのCandela(キャンデラ社)が開発した最新の熱破壊式レーザー機器で、アレキサンドライトレーザー(浅層向け)とヤグレーザー(深層向け)を使い分けられる点が強みです。濃い毛や深い部分にある毛幹に高出力で直接アプローチし、毛根・毛母細胞を直接破壊するため短期間で確実に毛を減らしたいというニーズに応えます。効果が強い分施術時の痛みはやや強い傾向にありますが、強力な冷却システムにより痛みは軽減されます。
ジェントルマックスプロプラスの特徴一覧表
特徴 | 詳細 |
レーザーの種類 |
アレキサンドライト(755nm):色白肌・太い毛に効果的 ヤグレーザー(1064nm):色黒肌・深い毛根にも対応 |
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脱毛方式 | 熱破壊式(HR方式)で毛根を直接破壊するため、高い効果を短期間で実感しやすい |
照射スピード | 最大26mmの大口径スポットで広範囲をスピーディーに照射可能 |
冷却システム | ダイナミッククーリングデバイス(DCD)を搭載し、肌を冷却しながら照射することで痛みを軽減 |
効果の即効性 | 1〜2回目から毛の減りを実感しやすく、5〜8回で多くの方が脱毛効果を実感できる(個人差あり) |
得意な毛質・部位 | 濃く太い毛(ヒゲ・VIO・脇など毛根が奥深くにある毛)毛量の多い方に特に高い効果 |
肌質への適応 | アレキサンドライトは色白肌に適性、ヤグレーザーは色黒肌や日焼け肌にも対応 |
安全性 | 米国FDAや日本厚生労働省に承認されている信頼性の高い医療機器 |
アップグレードポイント | 旧モデルよりも照射出力が安定し、大口径・高出力でより効率的な脱毛が可能になった |
ジェントルマックスプロプラスは「高出力で根本からしっかり毛を減らす」ことに優れており、特に女性のVIO脱毛や男性のヒゲ脱毛で人気です。
その一方で、高出力ゆえに照射時の痛みを感じやすいため、痛みに弱い方は麻酔クリームを併用するケースもあります。
ジェントル マックス プロプラスは脱毛だけでなく、シミ・そばかすの改善、毛穴の引き締め、ニキビ予防、肌のハリ感アップといった「美肌効果」も期待できる医療レーザー機器です。特にアレキサンドライトレーザーがメラニン色素やコラーゲンに反応し、熱エネルギーを真皮層に与えることでこれらの効果が発揮されます。施術はマイルドでダウンタイムも少なく、脱毛しながら美肌も目指したい方におすすめです。
メディオスターNeXT PROとジェントルマックスプロプラスの比較
では、実際に2つの代表的な脱毛器を比べてみましょう。それぞれの強みと弱みを整理することで、自分に合った選び方が見えてきます。
メディオスターNeXT PROとジェントルマックスプロプラスの比較表
項目 | メディオスターNeXT PRO | ジェントルマックスプロプラス |
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脱毛方式 | 蓄熱式(SHR方式) | 熱破壊式(HR方式) |
レーザーの種類 | ダイオードレーザー(810nm+940nm) | アレキサンドライト(755nm)+ヤグ(1064nm) |
効果の出方 | 穏やかに回数を重ねて毛包にダメージを与える | 短期間で高出力照射し毛根を破壊する |
痛みの少なさ | ◯ 痛みが少なく温かみを感じる程度 | △ ゴムで弾かれるような痛みを感じやすい。 冷却システムで痛みは緩和される。麻酔クリームなどで痛みを軽減する方法もあり。 |
肌質への適応 | 日焼け肌・色黒肌・敏感肌にも対応しやすい | 色黒や日焼け肌にも対応 |
得意な毛質 | 産毛・細い毛にも対応しやすい | 太く濃い毛(ヒゲ・VIOなど)に高い効果 |
施術スピード | 広範囲をスライド照射でスピーディー | 部位ごとに丁寧に照射するため時間がかかる場合あり |
施術回数の目安 | 8〜12回程度で徐々に実感 | 5〜8回程度でしっかり実感 |
即効性 | △ 穏やかに効果を実感 | ◎ 早い段階から効果を実感 |
安全性 | 肌トラブルが少なくリスクが低い | 高出力のため効果大だが、日焼け・色素沈着のある方はまれに火傷リスクあり |
おすすめ部位 | 顔・うなじ・背中・腕など産毛が多い部位 | ヒゲ・VIO・脇など濃く太い毛がある部位 |
向いている人 | 痛みに弱い方、敏感肌の方、産毛を脱毛したい方 | 毛量が多く、濃い毛をしっかり短期間でなくしたい方 |
どちらを選ぶべき?タイプ別のおすすめ
メディオスターNeXT PROとジェントルマックスプロプラス、結局どちらを選べばいいのか?迷ったときは、自分の毛質・肌質・優先したいポイントで考えるとわかりやすいです。
ケース1:痛みに弱い方
お悩み | シェービング後のチクチク感や、自己処理の手間がストレス。痛みにも弱い。 |
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おすすめ機器 | メディオスターNeXT PRO |
理由 | 施術時の痛みが少ない蓄熱式で、産毛や細い毛にも効果が出やすい。広範囲をスライド照射できるため、背中やうなじのような面積の広い部位にも適している。 |
ケース2:VIO脱毛を考えている女性(痛みは我慢できる)
お悩み | 将来的な清潔感や介護脱毛を意識してVIO脱毛を検討中。ただし濃く太い毛なので効果が出るか不安。 |
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おすすめ機器 | ジェントルマックスプロプラス |
理由 | VIOのように毛根が深く濃い部位には熱破壊式が有利。痛みを強く感じるなら麻酔クリームを併用すれば痛みは軽減できます。効果を優先するなら最適。 |
ケース3:日焼けしやすい肌質で、腕や脚のムダ毛を処理したい女性
お悩み | 夏場に日焼けをすることが多く、他機種では断られた経験がある。 |
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おすすめ機器 | メディオスターNeXT PRO・ジェントルマックスプロプラス |
理由 | 色黒肌や日焼け肌でも肌ダメージが少なく照射可能は蓄熱式。熱破壊式はYAGレーザーを使用することで可能。両機械とも日焼け直後は避ける必要あり。 |
ケース4:社会人男性でヒゲ脱毛を短期間で終わらせたい
お悩み | 毎日のヒゲ剃りの手間をなくしたい。できれば数回で効果を実感したい。 |
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おすすめ機器 | ジェントルマックスプロプラス |
理由 | 高出力の熱破壊式レーザーにより、太くて濃いヒゲに強力な効果を発揮。短期間で毛量を大幅に減らしたいニーズに応えられる。 |
ケース5:敏感肌で、産毛が気になる方
お悩み | メイクのりを良くしたいが、肌が弱いため刺激に不安。 |
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おすすめ機器 | メディオスターNeXT PRO |
理由 | 痛みや赤みが出にくく、敏感肌の人でも受けやすい。産毛処理に強く、化粧ノリや肌のトーンアップ効果が期待できる。 |
ケース6:短期間で濃い毛をしっかり減らしたい20代女性
お悩み | 自己処理の頻度を減らしたい。濃い毛で毛量が多い。短期間で目に見える効果を出したい。 |
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おすすめ機器 | ジェントルマックスプロプラス |
理由 | 高出力照射で、太く濃い毛に効率的にアプローチ可能。1〜2回目から毛量の減少を実感する。忙しい方でも短期間で脱毛を完了できる。痛みが気になる場合は麻酔クリームで対応可能。 |
よくある質問
- メディオスターとジェントルマックスプロプラス、どちらが痛みは少ないですか?
- メディオスターは蓄熱式でじんわり温かみを感じる程度のため、痛みに弱い方に適しています。 ジェントルマックスプロプラスは熱破壊式で出力が高いため、痛みを感じることがありますが、 冷却装置により軽減されます。部位によってはゴムで弾かれるような痛みを感じることがありますが、 麻酔クリームを併用すれば痛みを軽減することも可能です。
- どちらの機械を選べば早く効果を実感できますか?
- 即効性を求める場合はジェントルマックスプロプラスがおすすめです。 数回で毛量の減少を実感する方が多いです。一方、メディオスターは回数を重ねて徐々に効果が出るため、 時間をかけて肌に優しく脱毛を進めたい方に向いています。
- 日焼けしていても施術を受けられますか?
- メディオスターは日焼け肌や色黒肌にも対応できる蓄熱式のため施術可能です。 ただし、肌の炎症がある場合は避けた方がよいでしょう。 ジェントルマックスプロプラスも色白肌に高い効果がありますが、YAGレーザーを使用すれば 色黒肌や日焼けした肌にも可能です。どちらの場合も日焼け直後は火傷リスクがあるため、 一定期間をあけて施術を行うケースが多いです。
- どちらも同じクリニックで受けられるのですか?
- クリニックによって導入している機械は異なります。両方を導入しているクリニックでは、 毛質・肌質を見て適切な機械を選んで施術します。自分で選ぶよりも、まずはカウンセリングで 相談するのが安心です。
- VIOやヒゲ脱毛にはどちらの方が向いていますか?
- 毛根の根が深くあり濃く太い毛に強い効果を発揮するのはジェントルマックスプロプラスです。 そのため、ヒゲやVIOには特におすすめです。また、他の脱毛器で効果を感じなかった方が、 ジェントルマックスプロプラスなら効果を実感できる可能性があります。 メディオスターは痛みが少ないため、VIOの痛みが不安な方や敏感肌の方に適しています。
まとめ
今回の記事では、メディオスターNeXT PROとジェントルマックスプロプラスの特徴や効果を比較してきました。
メディオスター(メディオスターNeXT PRO)は「痛みを抑えつつ幅広い毛質・肌質に対応できる」点が強みで、 顔の産毛や色黒肌の方、痛みを避けたい方に特に適しています。 一方、短期間で濃い毛をしっかり減らしたい場合はジェントルマックスプロプラスが有力です。 最終的な選択は「目的」「肌質」「痛みの許容度」によって変わります。
どちらも優れた医療脱毛機器ですが、一人ひとりに最適な選択は異なります。 当院では、ジェントルマックスプロプラスを導入しており、うなじからつま先まで360度全身を脱毛するフルカバー全身脱毛コースや、 気になる所だけ脱毛するコースなどご用意しております。 経験豊富な医師がカウンセリングを行い、あなたに最も合った脱毛プランをご提案します。 まずはお気軽にご相談ください。